※本記事は掲載イメージを確認いただくためのサンプルです。
佐藤さんスキルを教えることより、受講生の方が『あ、私にもできる』って感じた瞬間の方が、ずっと大切なんです。
ハルモニアを立ち上げた佐藤結衣さんは、大手広告代理店でコピーライターとして10年近くキャリアを積み、出産を機に独立。
そこから2年の試行錯誤を経て、在宅ワークに特化したライティングスクールを開校した。
華々しい実績や数字よりも、受講生一人ひとりとの時間を大切にするその姿勢は、いまのオンライン教育市場の喧噪とはどこか一線を画している。
今回は、スクール運営の「なぜ」を丁寧に聞いた。
【原点】 理想の裏側にあった、ひとりの人間としての葛藤


業界の「当たり前」に感じた違和感
——広告代理店でのキャリアは順調だったように見えますが、出産前後で何か変化がありましたか?
佐藤さん:
「順調というか……正直、あの頃はがむしゃらでした。
深夜まで働いて、締め切りに追われて、それが普通だと思っていた。
でも妊娠が分かったとき、初めて『このペースで続けるのは無理だ』ということに気づいたんですよね。
周りを見渡したら、子どもを持ちながら働いている女性は、みんなどこか申し訳なさそうにしていて。
それがすごく嫌で。なんで申し訳なさそうにしなきゃいけないんだろうって。」
——業界全体の構造に違和感を覚えていた、ということでしょうか。
佐藤さん:
「そうかもしれません。広告の仕事は好きだったんです。
言葉を使って人の気持ちを動かすっていう仕事が。
でも、その仕事の場所が、自分のライフスタイルと全然合っていなかった。
出産後に時短勤務に変えたんですけど、やっぱり肩身が狭かった。
これは環境を変えるしかないな、と思って、フリーランスになることにしました。」
自身の挫折と、そこから見つけた光
——独立後も、すぐにうまくいったわけではないですよね?
佐藤さん:
「全然うまくいかなかったです(笑)。
最初の半年は本当に仕事がなくて。
会社員のときは案件が向こうからやってきたので、自分で取りに行く方法が全く分からなかった。
子どもが昼寝している間に、手探りでポートフォリオサイトを作ったり、クラウドソーシングに登録したり。
でも何が正しいか分からないから、無駄な回り道をたくさんしました。」
——その経験が、スクール開校につながっているんでしょうか。
佐藤さん:
「そうです。あのときの私みたいに、スキルはある程度あるのに、やり方が分からなくて止まっている人がたくさんいるんじゃないかって気づいたんです。
特に育児中のお母さんたちは、時間的な制約もあるし、失敗のコストも高い。
だから、私が遠回りしたぶんを省いた道を渡せたら、って思ったのが最初のきっかけです。」
【理念】「Credo(志)」が形づくる、スクールの本質


なぜ「最短・最速」を追わないのか



「3ヶ月で月収10万円」という謳い文句のスクールが多いなか、ハルモニアはそういった表現を使っていません。意図的な選択なのでしょうか。



はい、意図的です。嘘ではないかもしれないけど、誠実じゃないと思っていて。
そういう数字を前面に出すと、それを達成できなかった人が『自分の努力が足りなかった』と感じてしまう。それが嫌なんです。
——具体的には、どのような方針を取っているのですか?
佐藤さん:
「ハルモニアでは、入会前の段階で、受講生それぞれの生活スタイルに合わせた現実的な目標設定をする時間を必ず設けています。
週に何時間使えるのか、お子さんの年齢は、今の収入状況はどうか。
そこを整理しないまま『頑張れば稼げる』って言うのは無責任だと思っているので。」
——そのアプローチだと、受講生の進捗がゆっくりになることもありますよね。それで事業として成り立つのか、という疑問もあります。
佐藤さん:
「正直に言うと、最初はそこが怖かったです。
でも、急いで入れた受講生が途中で挫折する方が、長期的には信頼を失う。
それに、じっくり伴走して成果が出たとき、口コミで繋いでくださる方がすごく多い。
短期的な数字より、そちらの方が健全だと思っています。」
受講生に約束する「一生モノの価値」とは
——「一生モノの学び」という言葉を大切にされていますが、ライティングの技術は時代とともに変わりませんか?
佐藤さん:
「確かに、SEOのテクニックとかツールの使い方は変わっていきます。
でも、人の心を動かす言葉を作る力、相手の立場で考える力——これは変わらない。
AIが普及したとしても、この力を持っている人間の文章は読まれ続けると思っていて。
だからカリキュラムの核心はずっとそこです。」
——受講生たちには、具体的にどんな「一生モノ」を持ち帰ってほしいのでしょうか。
佐藤さん:
「スキルだけじゃなくて、『私の言葉で仕事ができる』という自信ですね。
お母さんって、どうしても子どもの名前で呼ばれることが増える。『〇〇ちゃんのお母さん』って。
それ自体は嬉しいことなんですけど、その一方で、自分の名前で誰かと繋がる感覚が薄れていく。
ハルモニアで学んで、初めてお仕事をいただいたとき、みなさん名前でお礼を言われるじゃないですか。
そのときの表情が、本当に毎回忘れられないんです。」
【具体】 志を形にするための、独自の仕組みとこだわり


「本質」に辿り着くための、あえて手間をかけるカリキュラム
——カリキュラムの構成について教えてください。他のスクールと比べて特徴的な点はありますか?
佐藤さん:
「最初の1ヶ月は、ほぼライティング技術は教えないんです。」
——それは珍しいですね。
佐藤さん:
「みなさん最初はびっくりされます(笑)。
でも、なぜ書くのか、誰のために書くのか、自分がどんな仕事をしたいのか、これが定まっていないと、技術を教えても空回りするんです。
1ヶ月かけてそこをじっくり整理してもらってから、実際の文章を書く練習に入ります。」
——手間のかかるアプローチですが、それには理由があるわけですね。
佐藤さん:
「はい。目標が曖昧なまま進んでも、提出される課題が的外れになりやすい。
何度も修正を繰り返して、本人も疲れてしまう。
最初に時間をかける方が、結果的に全体の学習期間が短くなることが多いです。」
依存させず、自立を促すためのサポート体制
——サポート体制について伺います。質問対応や添削はどのように行っていますか?
佐藤さん:
「個別添削と、週1回のオンライングループ会をセットにしています。
ただ、添削のときに気をつけていることがあって。
私が『こう直して』と言うのではなく、なるべく『なぜこの表現を選んだのか』を先に聞くようにしているんです。」
——それはなぜでしょう。
佐藤さん:
「答えを教えると、その人が私に依存してしまう。
仕事に出た後、私がいない場面で判断できなくなってしまうんです。
意図を聞いて、その上でどこを変えると読み手に届くかを一緒に考える。
その積み重ねが、自分で判断できる力になっていく。時間はかかるんですけどね。」
現場の「実態」を反映させた、嘘のない教材設計
——教材はどのように作られているのですか?
佐藤さん:
「私が実際に受注した案件や、現役のフリーランスライターの方々にヒアリングして集めた情報を元に作っています。
架空のシナリオではなく、実際に市場で出ている仕事に近い内容を課題にするようにしていて。
だから案件獲得のときに、現場で感じるギャップが少ないと言ってもらえることが多いです。」
——定期的に更新もしているのですか?
佐藤さん:
「しています。クライアント側のニーズって変化が早いので、年に2回は内容を見直して。
古いままの教材で学ばせるのは、正直無責任だと思っているので。」
【対峙】 受講生とどう向き合い、何を届けるのか


時には「厳しいこと」も伝える誠実さ
——受講生との関わり方で、大切にしていることは何でしょうか。
佐藤さん:
「褒めることと、正直に言うことのバランス、ですかね。
お母さんたちって、日常生活でなかなか評価してもらえないから、褒められると本当に喜んでくれる。
でも、褒めてばかりでは成長につながらない部分もある。」
——難しいバランスですね。
佐藤さん:
「そうなんですよ。例えば、課題の文章が読み手の目線に立てていないとき、やっぱりそれは正直に伝えます。
ただ、伝え方には気をつけていて。
『この文章はダメ』じゃなくて、『この文章を読んだ読者は、どんな気持ちになると思いますか?』って聞く。
そうすると、自分で気づいてくれることが多い。」
——その方が本人にとっても受け取りやすいですね。
佐藤さん:
「受け取りやすいだけじゃなくて、腑に落ちるんですよね。
人から言われたことじゃなくて、自分で気づいたことになるから、次の文章に活かされやすい。」
変化を遂げた受講生たちとの忘れられないエピソード



入会したての頃、『私なんかが書いた文章を、誰かがお金を払って読むなんて思えない』って言っていた方がいて。
卒業後に初めて案件を取ったとき、『クライアントさんに”ありがとう”って言われました』ってご連絡くださったんです。
あのLINEは、今でも消せないですね。
——そういったエピソードが、運営を続ける原動力になっているのですか?
佐藤さん:
「それが全部です。正直に言うと。
利益の計算とか、事業の拡大とかよりも、そういう瞬間のために続けているんだと思います。
大げさかもしれないけど、一人の人が『自分でできる』と気づく瞬間って、その人の人生を変えるんですよ。
その場に少しでも関われたことが、本当に嬉しい。」
【実績と評判】 届いた声は、積み上げてきた信頼の証


利用者からのリアルな口コミ・感謝の物語
——実際に受講された方々からはどのような声が届いていますか?
佐藤さん:
「一番多いのは、『想像していたより、自分のペースで進められた』という声ですね。
子育て中だと急な予定変更があるので、そこに柔軟に対応できたことを評価してくださる方が多いです。
あとは、『添削が丁寧で、自分の文章がどう変わったか分かりやすかった』という声も。」
——否定的な意見はありますか?正直に聞かせてください。
佐藤さん:
「あります。『もっとスピードアップしてほしい』という声は、ときどきいただきます。
うちは意図的にゆっくり進める設計にしているので、急いで成果を出したい方には合わない部分がある。
あと、課題の提出が義務になっているので、『義務がしんどい』という方も。
それは正直、設計上の意図があってそうしているので、変えるつもりはないんですが、入会前にきちんと伝えるようにはしています。」
数字以上に大切にしている「満足度」の基準
——満足度をどのような基準で測っていますか?
佐藤さん:
「卒業後に仕事が継続しているかどうか、これが一番正直な指標だと思っています。
在籍中は良かったけど、卒業してすぐ止まってしまうのでは、本質的な力が身についていないということ。
だから卒業後3ヶ月・6ヶ月のタイミングで近況をお聞きする機会を作っていて、それが継続率の確認にもなっています。」
——具体的にはどのくらいの割合の方が継続していますか?
佐藤さん:
「現時点で、卒業後6ヶ月時点でなんらかの収入を得ている方が、おおよそ7割強です。
全員ではないですし、もちろんライフステージの変化で一時休止される方もいる。
でも、『辞めた』ではなく『今は休憩中』という方が多くて、そこは少し誇りに思っています。」
【未来】 これからの展望、残したい価値


10年後も色褪せない学びの場を目指して
——今後、スクールをどのように発展させていきたいと考えていますか?
佐藤さん:
「規模を大きくすることには、あまり興味がなくて。
受講生を増やしすぎると、一人ひとりへの関わりが薄くなる。それだけは避けたい。
だから、今のサイズを維持しながら、コンテンツの質を高めていく方向に投資したいと思っています。」
——具体的には?
佐藤さん:
「卒業生たちのコミュニティをもう少し育てていきたいですね。
在籍中だけじゃなくて、卒業後も繋がれる場所。
困ったときに相談できる、同じ境遇の仲間がいる環境って、フリーランスにはすごく大事なので。
あとは、AIライティングツールの活用に特化した講座を準備しています。
なくなるのを待つより、使いこなせる方になった方が強いと思っているので。」
——10年後のハルモニアに、どんな姿を描いていますか?
佐藤さん:
「派手じゃなくていいんです。
10年後も、『あそこで学んでよかった』と思える人が、確かに存在しているスクールであれば。
それが続けられていたら、十分だと思っています。」
今、一歩を踏み出そうとするあなたへ
——最後に、学び直しを検討しているけれど一歩が踏み出せていない方へ、メッセージをいただけますか。
佐藤さん:
「焦らなくていい、というのが正直な気持ちです。
お子さんが小さいうちは、学びに使える時間も体力も限られているのは当然で、そこを無理してこじ開けなくていい。
ただ、『いつかやろう』が『今』になるタイミングは、意外と自分の意志より先に来たりするので、そのときのために選択肢を持っておくことは大切だと思っています。」
——ハルモニアは、そのための選択肢になれる、という自信はありますか?
佐藤さん:
「あります。全員に合うとは言いませんが、急ぎたくない、でも確かな力をつけたい、という方には、誠実に向き合えると思っています。」



スキルより先に、自分の名前を取り戻してほしい。それがハルモニアを作った理由の、全部です。
取材を終えて感じたのは、佐藤さんの言葉に「余白」があるということだった。
語らないこと、急がないこと、数字で証明しようとしないこと。しかしその余白には、思慮の深さと、受講生への実直な眼差しが満ちていた。
派手な約束をしないことが、最も確かな約束になる場合がある。ハルモニアは、そのことを体現しているスクールだと思う。
スクール概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| スクール名 | 在宅ワーク特化型ライティングスクール「ハルモニア」 |
| 代表者名 | 佐藤 結衣(さとう ゆい) |
| 所在地 | 東京都(オンライン運営) |
| 設立年 | 2021年 |
| 事業内容 | 在宅ワーク志望のママ・主婦向けライティングスクール運営、個別添削指導、キャリア相談 |
| ホームページ | https://harmonia-writing.jp(架空) |
| SNS | Instagram:@harmonia_writing / X(旧Twitter):@harmonia_yui(架空) |


